昭和30年代 昭和40年代 昭和50年代 昭和60年代 ~平成9年 ~平成19年 ~平成29年 ~現在 ここでは、当意匠審議会の過去の登録商品から、高岡銅器のデザインの変遷を振り返ります。昭和30年代から現代に至る高岡や世の中の主な出来事を年表にあらわしてあります。上の各時代区分をクリックして下さい。 昭和30年代 昭和30年代前半 <モダンデザイン導入と輸出用製品>花瓶の模様では従来の山水花鳥に変わって唐草、ブドウ唐草、リス唐草、リラ(モクセイ科の落葉灌木)等が取りいれられる当時、必需品であった火鉢やアルミ製の鍋釜の開発が盛ん輸出用のタオルリングやドアノッカーなどインテリア小物も顕著 昭和30年1955 高岡金属組合連合会結成、高岡銅器金物卸業結成 、高岡銅器卸業協同組合設立高度経済成長(1955年~1957年の神武景気から) 昭和31年1956 生産性本部による第一次工業デザイン・アメリカ視察団派遣 昭和32年1957 高岡金属意匠審議会を設置 新意匠の奨励及び保護を図るグッドデザイン(Gマーク)選定始まる。日本雑貨意匠センター意匠登録を開始この頃、工芸鉄器の生産盛ん 昭和33年1958 通商産業省にデザイン課設置、意匠法大幅に改正される 昭和34年1959 金屋町に「高岡鋳物発祥の地」記念碑(高岡開町350年祭)意匠法(昭和34年法)成立、輸出デザイン法制定〈天の岩戸景気〉クラフトセンタージャパン(丸善)開設 A級/19/ダイヤ型8寸花器/山栄製作所/1957 B級/32/タオルリング貝型/北陸銅器製作所/1957 B級/103/火鉢模様糸巻玉獅子小牡丹/炭谷三郎/1958 A級/136/鷲型ドアノッカー/宇於崎菊次郎/1958 昭和30年代後半 クラフト運動の影響を受け花瓶のデザインにシンプルな形態が目立つシンプルな形状の灰皿や室内装飾パネル、灰皿でも当時普及した扇風機の風を除けるため、蓋付きのものが数多く商品化 昭和35年1960 カラーテレビの本放送開始 昭和36年1961 第1回高岡物産展開催、高岡特産センター開設 昭和37年1962 高岡仏具会発足(8月)中小企業協同組合法に基づく事業協同組合を設立(~昭和54年8月) 昭和39年1964 高岡銅器金物卸業協同組合改組(5月)東京オリンピック開催(10月)東海道新幹線開通、名神高速道路開通 B級/378/丸型灰皿いろは古銭模様/増山鋳造所/1963 B級/400/パネル幌馬車/鍋谷鋳造所/1963 B級/488/花瓶T-2/専徒清二/1964 B級/490/花瓶T-4/専徒清二/1964 昭和40年代 昭和40年代前半 <デザインの普及と啓蒙>各地でデザイン講演会やパネルディスカッションが催される贈答品や記念品需要の拡大に対応し、生産分野では、設備の近代化による量産体制が進み、生型製法が多く導入され、ダイカスト工法による新製品も誕生漢字四文字熟語を入れた長角灰皿、飾皿、兜、温度計、鉄の栓抜きなどが顕著 昭和41年1966 通商産業省に意匠商標登録盗用防止対策会議を設置 昭和42年1967 高岡銅器アルミ鋳物共同工場完成(長慶寺団地)高岡市の伝統工芸産業技術保持者指定制度発足3C(カー、クーラー、カラーテレビ)時代 昭和44年1969 富山県銑鉄鋳物工業組合設立高岡市デザイン指導所設置(4月)(高岡市デザイン・工芸センターの前身)日本産業デザイン振興会設立銅器輸出額、戦後の最高を記録 B級/777/温度計 若駒/南部鋳造所/1965 B級/790/灰皿 喜報春先/日の出金属KK/1965 B級/1165/清正兜/渡辺勇明/1968 B級/1236/犬の栓抜き⑤/南部鋳造所/1969 昭和40年代後半 大手家電メーカー等の記念品や贈答品が多く生産される置物を中心として斬新な形状や意匠が顕著登録商品としては、香炉、岩鷲置物などの新デザイン、飾り付風鈴が多くみられるこのころ干支物シリーズの生産は最盛期を迎える 昭和45年1970 日本万国博覧会(大阪万博)が開催 昭和46年1971 ドル・ショックの影響をうけ、銅器の輸出額下降し始める 昭和47年1972 日本列島改造論起こる 昭和48年1973 高岡市商工奨励館設置(12月) (高岡市デザイン・工芸センターの前身)石油ショック(石油価格の暴騰) 昭和49年1974 伝統工芸高岡銅器振興協同組合設立石油ショックによる総需要抑制により銅器の生産、出荷額が低下経済成長率が実質マイナスに低下工芸財団が国井喜太郎賞創設 B級/1477/岩鷹/丸和製器KK/1971 A級/1563/鶴一組/北陸銅器製作所/1972 B級/1634/葵牛/丸和製器(株)/1972 B級/1965/満月風鈴 踊り子付(大)/秀正堂/1973 昭和50年代 昭和50年代前半 石油ショックの影響により生産面に厳しさが増すなかで類似商品の競合が出始めた家伝意匠として大切に保持されていた鋳物の原型が複製されて出廻るブックエンド、ペントレー等の卓上小物が多い※高岡銅器が国の伝統的工芸品の指定を受ける 昭和50年1975 「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づく産地及び業種指定を高岡銅器業界が受ける(焼型、双型、ろう型)金属意匠審議会会則の一部を改正し「伝承品」の認定を開始(2月)(財)伝統的工芸品産業振興協会設立日本産業デザイン振興会に地方産業デザイン開発センター開設沖縄海洋博覧会開催、山陽九州新幹線開通 昭和51年1976 高岡銅器団地建設工事が戸出地内で始まる「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づく伝統工芸士第1次指定 昭和53年1978 日本語ワープロが急速に普及 昭和54年1979 高岡銅器業、産地中小企業対策臨時措置法の特産地に指定される伝統的工芸品産業振興協会の工芸センターが東京・青山に開設 原型保護/1928/花器 魚篭/北陸銅器製作所/1976 意匠/2088/ブックエンドよいしょ(対)/(株)笠原/1979 原型保護/2101/トレー 花とパンドラ/(株)笠原/1979 昭和50年代後半 市内のデザイナーグループによる新製品開発が進められるシンプルな造形美の商品が顕著 昭和55年1980 高岡銑鉄鋳物産地中小企業対策臨時措置法の産地指定を受ける金屋町公民館高岡鋳物史料館設立パーソナルコンピューターが普及し始める 昭和56年1981 伝統産業技巧士(伝統工芸高岡銅器振興協同組合指定)の第一次認定行われる神戸ポートアイランド博覧会“ポートピア81”開催 昭和57年1982 高岡金属意匠審議会設立25周年(記念誌「意匠のながれ」発刊)東北新幹線が開通 昭和58年1983 高岡地域地場産業センター開館高岡市工芸デザイン指導所設置(現在の高岡市デザイン・工芸センター)[高岡地域地場産業センター4階に併設]国立高岡短期大学(平成17年富山大学芸術文化学部へ移行)設立CG(コンピューターグラフィック)が注目を浴びる 昭和59年1984 高岡金屋町並整備基本計画を策定高岡銅器協同組合組織名称変更登記(6月)第1回工芸都市「高岡クラフト展」開催(10月)新興工業国の製品が日本市場に溢れる 意匠/2199/傘立て/伝統工芸高岡銅器(協)/1980 原型保護/2245/インテリアクロック四角/田島秀也/1981 昭和60年代 昭和60年~63年 インハウスデザイナーによるデスクアクセサリーの開発盛ん企業の製品デザインの現場にコンピューターが導入され始める業界組合による中央のプロダクトデザイナーを起用した新商品開発が行われる 昭和60年1985 高岡銅器協同組合創立30周年(5月)科学万国博覧会“つくば85”開催、円高ドル安 昭和61年1986 富山県工業技術研究所完成工芸都市「高岡クラフトコンペ」開催、国立高岡短期大学学生受け入れ 昭和62年1987 バブル経済(1991年まで土地や証券の投機が経済全体に波及) 昭和63年1988 高岡銅器史発刊富山インダストリアルデザインセンター(IDC)設立(富山県総合デザインセンターの前進)高岡金属意匠審議会(社)日本デザイン保護協会に入会 意匠A/2396/温湿計 バネ/(株)竹中製作所/1986 意匠A/2369/TO-1105クロック/(株)竹中製作所/1986 ~平成9年 平成元年~9年 著名デザイナーやクリエーターを起用した新商品開発が盛んエクステリア、水廻り製品など新分野向けの銅器製品開発が行われる Gマーク(グッドデザイン賞)に選定される製品が現れる 平成元年1989 消費税法施行(消費税3%) 平成2年1990 デザインイヤー・世界デザイン会議名古屋で開催バブル最盛期、高岡銅器の販売額ピークに達する国際花と緑の博覧会大阪で開催 平成3年1991 高岡産業フェスティバル’91(高岡テクノドーム完成記念事業)(2月) 平成4年1992 第1回東京クラフトエキスポ’92TAKAOKA(東京晴海見本市会場)(1月)ジャパンエキスポ富山’92「メルヘンの森・高岡銅器」広場完成(7月~9月) 平成6年1994 不正競争防止法改正 平成7年1995 高岡銅器協同組合40周年阪神大震災、地下鉄サリン事件がおこる 平成9年1997 消費税が5%に増税され景気後退 意匠B/2436/門の器/(株)織田幸銅器/1992 意匠A/2462/トーミョー1/(株)ニューズ・インターナショナル/1994 意匠A/2478/オープナー/(株)竹中製作所/1994 (Gマーク取得) 意匠A/2549/珠型香炉/(有)杉本着色所/1995 意匠B/2578/建築装飾タイル/高岡銅器団地(協)/1996 ~平成19年 平成10年~19年 居住環境の変化に伴い新仏壇・新仏具の開発に乗り出す企業の取り組みが顕著セレクトショップなど新たな販路に向けた商品を開発するメーカーが現れる 平成11年1999 意匠法改正(1月)高岡市デザイン・工芸センター設置(7月)高岡市オフィスパーク内「高岡仏具」商標登録取得(10月)高岡金属意匠審議会 意匠登録優良企業表彰開始 平成12年2000 高岡金属意匠審議会ホームページ「意匠登録データベース」稼動 平成16年2004 高岡銅器協同組合50周年高岡市デザイン・工芸センターと地元企業・職人・デザイナーによる金属・漆の表面処理技術を売る「HiHill(ハイヒル)プロジェクト」の取り組みが、グッドデザイン賞特別賞を受賞 平成17年2005 商品開発グループ「高岡工作連盟」設立“愛・地球博”名古屋にて開催大澤幸勝氏が重要無形文化財「鋳金」技術の保持者(人間国宝)に認定(8月) 平成18年2006 高岡金属意匠審議会設立50周年記念式典(11月) 平成19年2007 高岡金属意匠審議会設立50周年(2月) 意匠A/2663/御法 具足8点セット3.0寸/(株)山口久乗/1998 意匠A/2769/風鈴オニオンSV/(株)能作/2003 意匠A/2789/灯華香(かたり仏具Aタイプ)/(株)二上製作所/2004 意匠A/2801/仏りん「たまゆら」/(株)本保/2005 ~平成29年 平成20年~29年 独自に販路開拓を行う製造業者が増えてきており、銅器産業の構造に変化が見受けられる 特色ある地域づくりと地場資源を活用した産業振興が注目を集めており、銅器業界においても、行政や大学等の研究機関と連携し、新商品・新技術開発に取り組む新たな動きが出てきている平成 27 年春の北陸新幹線開業を追い風に首都圏など市外においても「高岡銅器」の高い技術力や新しい魅力を積極的にPRするなど、産地全体がより一層活性化することが期待される 平成24年2012 金屋町が伝統的建造物群保存地区に選定 平成26年2014 高岡銅器組合設立60周年 平成27年2015 ・伝統的工芸品月間国民会議全国大会富山大会(経済産業省主催)11月・伝統工芸高岡銅器振興協同組合設立40周年 平成28年2016 ・工芸都市高岡クラフトコンペティション30回記念展(高岡市美術館 6月)・高岡金属意匠審議会設立60周年記念事業として視察ツアーを実施 11月 平成29年2017 高岡金属意匠審議会設立60周年(2月)・現在までの流れ 意匠A/2873/KAGO-ダリア/(株)能作/2009 意匠A/2924/サイドテーブル HK+01 2段タイプ ウォールナット/高岡銅器協同組合(チームKANAYA)/2012 意匠A/2944/すずがみ/(有)シマタニ昇龍工房/2013 意匠A/2975/鋳鉄製 筆皿/(株)織田幸銅器/2016 ~現在 平成30年~現在 独自に商品を企画し、国内外に販路開拓を行う製造・加工業者が増加している 平成30年2018 ・米中貿易摩擦が激化する。・国の伝統的工芸品の指定の一部改正により、高岡銅器の伝統的な技術・技法に「生型鋳造」方法が追加(11月)・伝統工芸高岡銅器振興協同組合が国宝薬師寺東塔の「相輪」の水煙や宝玉の新調・修復を手掛ける 令和元年2019 ・新型コロナウイルスが発生する・「令和」に改元、皇太子徳仁親王殿下が第126代天皇に即位(5月)・消費税率が8%から10%に引き上げられる。国は軽減税率やポイント還元などの下支え策を打ち出す(10月) 令和2年2020 ・意匠法改正(4月)・新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言を発令する(4月)・高岡銅器の販売額が100億円を切り98億5千万円となる(「令和2年度版 高岡特産産業の動き」より) 令和3年2021 ・意匠法改正(4月)・東京オリンピック・パラリンピック開催・新型コロナウイルスワクチン接種がスタートする 令和4年2022 ・平成6年から28年間にわたり高岡金属意匠審議会会長を務めた織田幸市氏が退任(7月) 意匠A/3026/フェザーブルーム/(株)織田幸銅器/2019 意匠A/3050/アストロリン/(株)山口久乗/2020 意匠A/3059/C400 ゼッティ/(株)高田製作所/2021