新クラフトLabo(ラボ)

「新クラフトLabo(ラボ)」は、ものづくりのプロセス、
ものづくりだけではないサービス、仕組みづくりを含めた研究を進めています。

株式会社小泉製作所
小泉俊博 Koizumi Toshihiro

2つの商品の制作工程を、(株)小泉製作所の前田さんから伺いました。

Zen Bell Timer アプリについて社内で行ったこと

従業員の方々にベータ版を配布、体験してもらい(本社従業員20人中13人参加)、気になったところなどをヒアリング。ユーザー的視点かつ、「たまゆらりん」を作っているからこその拘りたい部分(音や見た目など)の意見を聞くことができた。意見を反映し、改良してリリース!

ゆらりん開発エピソード

 社長から 50 センチくらいのキジの羽とスケッチを渡され「これを使って卓上型風鈴を作ってほしい」などと言われる。スケッチは、グラスのステムのような脚のついた 1 つのお椀の中に羽が 1 本立っているイラスト。スケッチの通りお椀型で試作を作る。機構を試行錯誤して試作作りをする。キジ羽が大きく倒れてしまい鳴らないなど、失敗の繰り返し。1つのお椀ではなく、2~3のお椀が打ち合う機構だとうまくいくのではないか?と社長からスケッチを渡される。様々な太さのバネ線を用いて試作するが、自立せず失敗。社長からアメリカンクラッカーみたいな球体でやってみてと提案。球体に近いベルを作り試作。やはり強度が足りず自立せず失敗。だがここで、小さな球体でもいい音が鳴ることに気が付く。たまたま、商品開発室を整理しているときに過去の試作品をみつける。分解して中に球を入れてみたり遊びながら試して、起き上がりこぼしの仕組みの風鈴のアイディアが閃く。

 デパートのバイヤーさんとの商談会が行われる。小泉社長と営業担当者が参加し、「いま卓上風鈴を開発している」という話をしたら、バイヤーさんから興味を持たれ、ヒアリングすると「リアルな鳥の羽は良くない、夏らしい薄い水色などの風受けがついているのがいい」とアドバイスをいただく。キジ羽をやめて、羽のような風受けを付ける機構で進める。最初は球体の頭頂部がへこんで羽を固定するデザインで考えていたが、加工上難しいため球体から生える形で羽を固定できるデザインを再検討、試作を進め、初期ゆらりんが完成。

 安次富さんに見てもらい「プロダクト製品なので羽は抽象的なほうが良いのでは?」「金具を検討しては?」などアドバイスをもらう。また、使用したお客様から「もっと大きい音で鳴らないのか」と指摘をうける風受けの、スリット部分のデザインを修正し、構造も見直し、さらに風で揺れやすく音が鳴りやすい新生ゆらりんが完成。

発売以降、風鈴はもちろん、季節を問わずインテリアとしてもお客様に使っていただけている。

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