株式会社砺波商店
砺波義行 Tonami Yoshiyuki
仮説・目標設定
お客様のところにお伺いした時に、お土産持っていきますよね。その時に「つまらないものですが」と言って。実際、「つまらないもの」ではなくて「心ばかりのもの」何だけどそういった簡単に渡せるような、商品なんかないかなっていう。(R6.6.15)
(安次富さん)(砺波さんがこれまで取り組んできた)「結び」っていうテーマはすごく面白くて、(中略)だから、おむすびっていうのも、あれは形に対してというより親が心を込めて、「きゅ」って気持ちを入れてることだと思う。おにぎりって言われると、モノ的な感じだけど、おむすびって言われると心もセットな感じがしませんか。(中略)ものとしての単純な価値じゃない。プレゼント「する・された」の関係性の中にものが介在してる。 その何か1つのある意味コミュニケーションツールっていうんですかね。手紙みたいなもんです。
考察
最近ホームページも変えて、金属を「繕う」と。最近修理っていうかアップデートのサービスを請けていて。ちょっと感激したのが、個人の方から、フライパンを修理してくれと依頼があった。で、そんなの買った方がいいんじゃないと思ってなんでこれ修理するんですか?って聞いたら、「私が新婚旅行でヨーロッパへ行った時に、その記念で買ってきたんです。いくらかかってもいいから直してほしい。」と言われた。その時に、ただ単に修理っていうことじゃなくて、そのモノの背景にある価値みたいな、繋がるのを大切にする。そういうことが意外と面白いなと思って、商売よりもそっちの方が楽しいみたいな。そういった感謝みたいなことの延長でなんかっていうのは思いました。(R6.6.15)本当に今、修理が面白い。(中略)何十年も使ってて、その人の思い出に寄り添えるってことは、なんか楽しいなという感じで。いろんな相談がきます。せっかく相談が来るんだからまず聞いて。で、やってみましょうかって。(R6.9.7)(修復の依頼について)依頼文を見ると思い入れがあると感じる。人間の思いって面白いなと思って。 (R6.12.24)
(安次富さん)今回の展示で砺波さんに望みたいものはものを大事にしている人の話って、すごく伝統産業にとっては重要だろうなって思うんですよ。ただ売れるものじゃなくて、人にずっと使ってもらうとか、そういうものづくりができた時に初めてわかる。だから、これからの人たちにぜひこう考えてもらいたいということや、残しておきたいこと、メッセージみたいなものがあるといいなと思ってます。