高岡テクノドームのエントランススペースでは、高岡市所蔵の高岡市伝統工芸産業技術保持者の作品が展示されています。
400余年の長い歴史の中で受け継がれてきた高岡が誇る伝統工芸の技術・技術の流れを汲む作品たちをどうぞご覧ください。
銅器の作品展示風景
今回は、大澤 幸勝(おおざわ ゆきまさ 1941年生まれ)氏の功績、作品のご紹介します。
[指定年度]平成6年度 [指定技術]銅器・焼型
大澤 幸勝(おおざわ ゆきまさ)【雅号】光民(こうみん) 1941年生まれ
鋳ぐるみ鋳銅線文花器(いぐるみちゅうどうせんぶんかき)
寸法/高さ35㎝×幅15㎝×奥行12㎝
鋳ぐるみ鋳造は、鋳型に銅線やステンレス線等をバランスよく配置し、その鋳型900℃前後で焼成、1300℃に溶けた金属を流し込むことにより、直接線を鋳ぐるんでしまう技法で、線構成の美しさが造形に反映される。
この作品は、銅線を太陽にステンレス線は水をイメージし、生命の源や自然のエネルギーを表現している。花器本体は、銅の部分を少ししぼり造形し、美しい線模様で構成されており、芸術性のある伝統工芸品へと高められている。
[功績概要]
富山県立職業補導所銅器科にて焼型鋳造及びデザイン技術・技法を修得。後、越井栄山氏に師事。昭和44年独立開業する。長年の努力と工夫による「鋳ぐるみ鋳造法」を確立し、金工技法の新たな表現領域を切り開き、重要無形文化財保持者(人間国宝)となる。
[表彰・受賞歴]
昭和47年 日展入選(以後、2回)
平成10年 富山県展 県展会員大賞
平成12年 日本伝統工芸展高松宮記念賞、通商産業大臣表彰功労賞
富山県功労表彰
平成13年 高岡市民文化賞表彰
平成16年 卓越した技能者(現代の名工)表彰
平成17年 高岡市民功労者表彰、北日本新聞文化賞
平成18年 NHKふるさと富山賞
平成23年 旭日小綬章(文化財保護功労賞)
平成27年 高岡市名誉市民
[経歴]
昭和33年 越井銅器製作所へ勤務し焼型鋳造法の技術・技法など全般を学ぶ
昭和44年 独立、自営し大澤美術鋳造所創立
昭和55年 鋳ぐるみ鋳造法を考案
昭和58年 日本工芸会正会員
平成 7年 高岡市伝統工芸産業技術保持者指定
平成 9年 伝統工芸高岡銅器振興協同組合焼型鋳造後継者育成講師(~平成10年)
平成17年 重要無形文化財保持者(鋳金)認定
平成18年 日本工芸会富山支部幹事長
平成20年 高岡地域文化財等修理協会会長に就任(令和元年~名誉会長)
平成22年 文化庁工芸技術記録映画「鋳金 大澤光民のわざ」制作協力
平成25年 平成の御車山制作監修(平成30年完成)
令和元年 MOA美術館「特集陳列 人間国宝 大澤光民のわざと美」
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