高岡テクノドームのエントランススペースでは、高岡市所蔵の高岡市伝統工芸産業技術保持者の作品が展示されています。
400余年の長い歴史の中で受け継がれてきた高岡が誇る伝統工芸の技術・技術の流れを汲む作品たちをどうぞご覧ください。
銅器の作品展示風景
今回は、須賀 謙蔵(すが けんぞう 1919-2012)氏の功績、作品のご紹介します。
[指定年度]平成2年度 [指定技術]銅器・蝋型
須賀 謙蔵(すが けんぞう)【雅号】月眞(げっしん)
懸額蝋型瑞龍(かけがくろうがたずいりゅう)
技法/蝋型鋳造 寸法/高さ420cm×幅450cm×奥行50cm
龍は、殷、周時代の青銅器に始まり、今日まで中国の紋様として三千年以上の歴史を持つものであり、瑞鳥鳳凰と共によく描かれる霊獣である。
古代の中国思想の中で、四霊、四瑞として最高の瑞祥文に選ばれている。
[功績概要]
昭和10年に須賀松園(国指定無形文化財保持者)に師事し、?型技術を修得。昭和22年に独立。須賀家の家伝意匠である蝋型鋳造に従事し、道一筋に励み、高岡銅器の伝統技術伝承に努めた。深い知識と理解にたった造形力、特に?の流れを生かした細部の表現、立体感や鋳型づくりは斬新で精緻な技術は業界においても卓越していた。また完成度の高い作品は他に類を見ない素晴らしいものがあり、鋳造設備の近代化が進む中にあっても、頑なに伝統技法に拘ることにより、手作りの良さを今に美しく残している。
また、幅広い交流のなかで情報交換を行い、若手技術者へ積極的に技術を伝授し後継者の育成に努めるなど、実直で清廉な人柄は高く評価され、他の模範となった。
[表彰・受賞歴]
昭和23年 高岡市美術展受賞
昭和24年 富山県美術展受賞
昭和25年 日展入選(以後、4回)
昭和27年 全国輸出見本展受賞
平成 6年 高岡市市民功労者表彰
平成 9年 富山県功労表彰
平成11年 卓越した技能者(現代の名工)表彰
平成13年 黄綬褒章
[経歴]
昭和 8年 初代松園氏に師事し蝋型技術を習得
昭和41年 札幌にて初個展(以後、大阪・東京・金沢・富山などで20回)
昭和42年 淡交社淡交テキスト金工編に掲載
昭和50年 淡交社淡交テキスト9月号に掲載
昭和57年 家庭画報別冊冬の茶花に掲載
平成 3年 高岡市伝統工芸産業技術保持者指定
平成 5年 淡交社淡交テキスト現代茶道工芸作家名鑑に掲載
平成 9年 NHKテレビ「現代の匠」放映
東京・銀座松屋にて個展
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