会場(高岡市鋳物資料館)では、高岡市所蔵の高岡市伝統工芸産業技術保持者の作品が展示されています。
高岡市伝統工芸産業技術保持者とは
高岡市では、伝統工芸産業である高岡銅器・高岡漆器の優れた技術や知識を有する技術者を「高岡市伝統工芸産業技術保持者」として、昭和42年より指定しています。
この指定を受けた技術者により構成される「高岡巧美会」は、昭和46年に設立されて以来、広く伝統工芸産業の発展に寄与することを目的とし、展示会の開催やものづくり体験・工房見学等の活動を行っています。
[指定年度]昭和59年度 [指定技術]銅器・仕上
金田 義蔵(かねだ よしぞう)【雅号】玉甫(ぎょくほ) 1922年生まれ
虎仙人(とらせんにん)
昭和60年作 素材・技法/青銅・焼型鋳造 寸法/高さ16cm×幅26cm×奥行23cm
仕上げは、鋳造された製品を原型に忠実に、美しく仕上げ整え完成させる作業で、製品の価値を左右する重要な工程といえる。氏は、卓越した技で、鑢(やすり)、銑(せん)、鏨(たがね)を巧みに使い分け、寸分違わぬ繊細緻密な仕上げを行う優れた技術者といえる。
[表彰・受賞歴]
昭和51年 高岡伝統工芸加工技術振興展奨励賞
昭和58年 伝統工芸高岡銅器振興協同組合経営功労者表彰
平成 3 年 高岡市市民功労者表彰
[経歴]
昭和10年 学校卒業後、父彦左久に師事し銅器仕上技術を修業
昭和52年 伝統工芸士に認定
昭和60年 高岡市伝統工芸産業技術保持者指定
昭和61年 伝統工芸高岡銅器振興協同組合理事
昭和63年 伝統工芸高岡銅器振興協同組合常務理事
高岡銅仕会会長
[指定年度]昭和45年度 [指定技術]銅器・焼型
中村 外次郎(なかむら そとじろう)【雅号】秀正 (しゅうせい) 1900-1981
和気清麿(わけのきよまろ)
昭和48年作 素材・技法/青銅・焼型鋳造 寸法/高さ33cm×幅34cm×奥行12cm
焼型鋳造技術者ではあるが、原型制作も自ら行う。また、鋳型の改良やガス抜き用のパイプを考案し、鋳肌の美しい鋳物に定評を得た。特に小型の置物類を得意としており、写真の作品も小型ではあるが、巧みに型抜きされた見事な作品である。
[功績概要]
20才の時から鋳物師上坂亀次郎氏に師事。戦後置物鋳造専門として独立。戦前戦後を通じ約7年間高岡工芸高校鋳金科及び県工業試験場で鋳物技術の指導にあたった。昭和32年から38年まで、鋳金会理事として会の発展に尽くした。特にガス抜きの技術及び粘土と砂の配合方法の改良による外型技術の改良等鋳物技術について、創意工夫し業界に与えた恩恵は大きく、業界の信望も厚かった。
[経歴]
大正 9年 鋳物師高坂亀次郎氏に師事し焼型鋳造技術を習得
昭和21年 置物鋳造専門として独立自営。戦前戦後を通じ7年間、高岡工芸高校鋳金科及び工業試験場で鋳物技術の指導にあたる
昭和32年 高岡鋳金会理事
昭和46年 高岡市伝統工芸産業技術保持者指定
(AK)