「高岡銅器」の鋳造法について、自らデザインした作品の制作を通して学ぶ「鋳造コース」。
6/10(土)は10名の受講生が制作した「ガス鋳型(中子含む)」への溶解・鋳造を実施しました。
【 溶 解 】
工芸センター1Fの鋳造工房で、50kg溶解炉(ガス式)に着火。およそ1時間半で、30kgの青銅(ブロンズ)が1100℃に達したら白煙(酸化亜鉛)が立ち昇ります。攪拌、燐銅(リンドウ)による脱酸などの溶解作業を経て、湯面(ゆづら)、炎の状況を確認します。
【 地 金 】
今回は、青銅(Bronze)の地金(Cu 85.9(%)/Sn 3.2/ Zn 6.8/Pb 3.7)を融点の約1250℃まで熱し溶解します。鋳造性や被削性に優れる旧JIS記号BC6に近い青銅地金と思われます。
*参考:銅合金鋳物 材質表(JIS記号CAC406、旧BC6)和田合金株式会社
http://www.wadagoukin.co.jp/material.html
【 鋳 造 】
青銅が融点の約1250℃に達したら、溶解炉を傾け取鍋(とりべ)に汲み、それぞれの鋳型に鋳込みました(注湯作業)。
注湯後、しばらく金属の凝固・硬化時間をおいて、各自「型ばらし」作業に入ります。
正に10人十色のデザインに応じた湯道の比率、湯口の大きさ、溶融金属の温度、流し込む金属の勢いなどの判断が、湯回り不良や鋳造欠陥のない鋳物製品を完成するには重要になってくる鋳造。プロの鋳物師のみなさんは、鋳込みの直前まで気を抜くことができない大変な仕事ですね。
社会人受講生のみなさんが、土曜日に半年以上かけて制作に励まれた石膏原型、ガス鋳型が、どんな鋳物作品に生まれ変わるのか、このあとも楽しみです。
(HI)
- 参考:中子、ガス鋳型の制作(前回のお知らせ)
https://suncenter.co.jp/takaoka/news/2360/
- 参考:ガス鋳型、原型「石膏 挽き型」(以前のお知らせ)
https://suncenter.co.jp/takaoka/news/1713/
- 鋳造コース紹介
https://suncenter.co.jp/takaoka/news/508/
- 生型の型込め・溶解・鋳造
https://suncenter.co.jp/takaoka/news/1251/